2023.3.26|Web知識

Google Analytics 4(GA4)とは?Google Analytics(UA)との6つの違い

Google Analytics 4(GA4)とは?Google Analytics(UA)との6つの違い

Webサイトからの集客や売上を伸ばすために、あらゆる分析が必要とされます。
Webサイトのアクセス状況や訪れたユーザーの行動把握、ユーザーの属性や訪問したページの分析をすることで今まで見えてこなかった課題や問題が見えてくるようになります。
アクセス解析ツールや分析ツールは沢山ありますが、その中でも一般的となっていたのがGoogle Analytics(グーグルアナリティクス:UA)のアクセス解析ツールですが、2023年7月1日をもってユニバーサルアナリティクス(UA)のサポートが終了となりデータ処理ができなくなることが公開され、Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)への移行が進んでいます。

今回は、Google Analytics 4(GA4)とは?Google Analytics(UA)との6つの違いを解説します。

Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)とは

Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)は、Googleアナリティクス4プロパティ(Google Analytics 4)の略で、2020年10月にリリースされたGoogleアナリティクスの最新バージョンのことです。
Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)は、Googleが提供する無料で利用できる多機能なアクセス解析ツールです。

従来のGoogle Analytics(グーグルアナリティクス:UA)では、各計測項目の軸となる単位がセッションを中心とした計測を起点とし「ページビュー」「イベント」「eコマースのトランザクション」などのデータがレポートに表示される仕組みでした。
新しいGoogle Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)では、セッションを中心とした計測から、予測機能蓄積したデータを分析することで、ユーザーの今後の行動を予測し「購入の可能性」「離脱の可能性」「収益予測」が計測できるようになりました。

・ユニバーサルアナリティクス プロパティ:UA
・Google アナリティクス4 プロパティ:GA4
Google Analytics 4(GA4)とは?Google Analytics(UA)との6つの違い
Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)の構成
Google Analytics 4(GA4)とは?Google Analytics(UA)との6つの違い
項目 概要
レポート ユーザーの参照元やアクティブユーザー数の推移、ページごとの表示回数が集計されたレポートを確認できる。
探索 レポートで閲覧できる複数の指標を組み合わせて、分析用のグラフや表を自分が見たいデータをレポート作成できる。
広告 コンバージョン経路に関する専門的なデータを確認できる。広告流入のデータに大きな変動があった場合は「インサイト」に通知される。
管理 アカウントやプロパティに関する基本的な設定が可能です。Google広告やBigQueryなどのGoogleが提供するアナリティクス以外のサービスとの連携も管理から設定ができる。

UAとGA4の6つの違い

UAとGA4では、「データの集計・計測方法」「指標の定義」「レポートメニュー」「デバイスを横断した計測」「機械学習を活用した予測機能」「Google BigQueryとの連携」など、計測する仕組みに違いがあります。

従来のUA(ユニバーサルアナリティクス プロパティ)と比べて、GA4(Google アナリティクス4 プロパティ)は、機能追加やフロント画面の見方だけでなく、データの計測方法が大きな変更点として挙げられています。

【6種類の集計データ】
・データの集計・計測方法
・指標の定義
・レポートメニュー
・デバイスを横断した計測
・機械学習を活用した予測機能
・Google BigQueryとの連携

データの集計・計測方法

従来のUAでは、セッションを軸とした計測になっており、ページ単位で計測され、一定期間にWebサイトを訪問したユーザーが離脱するまでの行動に様々な指標を測定していました。

GA4では、イベント単位での計測に代わり、ユーザー単位でどんなアクションを起こしているかなど、イベントをもとに指標を測定されるようになりました。
そのため、UAでは、Webサイトに複数アクセスがあった場合、同じユーザーが訪れているのか別のユーザーが訪れているのか判別が難しい計測でしたが、GA4では、ユーザー毎に細かくアクセスデータを計測できるため、誰が何度訪れているかを計測しやすくなり、ユーザーの行動自体をデータ化できるようになりました。
UAでは、Cookieを使用してユーザーの行動を追跡するのに対し、GA4ではCookieを使用せずにユーザーの行動を追跡します。

また、UAとGA4のデータ保持期間は異なり、UAでは計測データの保持期間が50ヵ月でしたが、GA4では14ヵ月まで短縮されました。

変更となった計測方法
メニュー ユニバーサルアナリティクス(UA) Google Analytics 4(GA4)
セッション ・セッションが切れるタイミング
30分以上操作アクションがない時
参照元情報が変わった時
日付をまたいだ時
・セッションが切れるタイミング
30分以上操作アクションがない時
同じプロパティ内の計測でも、異なるデータの集計を跨いでページ遷移したとき
同じデータの集計内の計測でも、異なるドメイン間を遷移したとき
コンバージョン ・1回のセッションで複数回コンバージョンを達成した場合、1回のみのカウント。 ・1回のセッションで複数回コンバージョンを達成した場合、回数分のカウント。
直帰率 ・ページで何も行われなかった1ページのみのセッションのパーセント数。 ・直帰率からエンゲージメント率に変更。エンゲージメントのなかったセッションの割合

指標の定義

UAとGA4ではデータ計測方法が変わったことで、計測する指標の定義が大きく変わり、ユーザー動向を基本指標とすることで「直帰率」「離脱率」、ディメンションの「ランディングページ」などの指標がGA4では廃止となりました。

UAでは、「PVのデータ」や「Eコマースのデータ」など、いくつかの指標でこれらのデータを計測していましたが、GA4では仕様が異なり、イベントで統一して計測されるようになりました。Webサイトの場合でもアプリの場合でも、すべてのユーザー行動のデータを「イベント」として計測します。

変更と廃止になった指標
Google Analytics(UA) Google Analytics 4(GA4)
ページ別訪問数 廃止
ページの価値 廃止
ページ/セッション 廃止
平均ページ滞在時間 平均エンゲージメント時間
新規ユーザー 新しいユーザー
ページビュー数 表示回数
平均セッション時間 セッションあたりの平均エンゲージメント時間
直帰率 廃止
離脱率 廃止
目標の完了数 コンバージョン
目標値 イベント収益
コンバージョン 廃止
トランザクション数 eコマースの購入数
ランディングページ 廃止

レポートメニュー

UAでは、「リアルタイム」や「ユーザー」「集客」「行動」「コンバージョン」など多くのレポートが存在していましたが、GA4は「集計用レポート(概要+リアルタイム)」「分析用レポート(探索)」「広告用レポート(広告)」の三で構成されるシンプルなレポートメニューになっています。
基本的に抑さえておきたいメニューは、「集計用レポート(概要+リアルタイム)」「分析用レポート(探索)」の二つです。
また、GA4のレポートはUAと違い、「比較」はできますが、「セグメント」で絞ることはできなく、「ユーザー数」や「集客チャネル」、「リピーター数」など、基本的な情報の計測結果を表示するメニューとなっています。
GA4でレポートがシンプルになったことで、「探索」機能がついかされ、自由にディメンションや指標を組み合わせて、さまざまな種類の表やグラフを作成し分析できるようになりました。

UAでは、コンバージョンまでに至る、ページ間の遷移分析が目的とし指標が表示されていましたが、GA4はエンゲージメントやユーザーの分析などの維持率が目的として指標が表示されます。

レポートの種類
メニュー バージョン
リアルタイム ・ウェブサイトやアプリを利用しているユーザーの行動をリアルタイムに発生しているアクティビティを確認できます。
ユーザー属性 ・ウェブサイトやアプリを利用しているユーザー属性(国・市区町村・言語・インタレストカテゴリ・年齢・性別など)を軸にデータを確認することができます。
(ユーザーの概要、ユーザー属性の詳細)
テクノロジー ・ウェブサイトやアプリを利用しているユーザーの環境(ブラウザ・デバイスカテゴリなど)を軸にデータを確認することができます。
(テクノロジーの概要、ユーザーの環境の詳細)
集客 ・ユーザーがどのような方法でウェブサイトやアプリを検索したか、再訪した際の経路(流入元・ユーザー数・新規ユーザー流入元・セッション流入)を確認することができます。
(集客サマリー、ユーザー獲得、トラフィック獲得)
エンゲージメント ・ユーザーがウェブサイトやアプリ内で起こした行動(ページ表示回数・イベント発生回数・コンバージョン)を確認することができます。
(エンゲージメントの概要、イベント、コンバージョン、ページとスクリーン)
収益化 ・ウェブサイトやアプリからの収益、各商品を閲覧したユーザー数などを確認することができます。
(収益化の概要、eコマース購入」、アプリ内購入、パブリッシャー広告)
維持率 ・ユーザーが最初に訪問した後、再度利用した頻度や期間を確認することができます。

デバイスを横断した計測

従来のUAでは、ユーザーの行動がWebサイト内で完結するケースが多かったため、Webサイト内でのユーザーの行動を分析ツールでしたが、アプリやSNSが普及したことによりユーザーの行動が正確に捉えることが困難になってきました。WebサイトからアプリやSNSに遷移したユーザーの分析や複数の端末を使った場合の分析が正確には捉えることができないといった背景をふまえ開発されたプロパティがGA4です。

GA4では、PC、スマートフォン、タブレットなど、複数のデバイスを利用しているユーザーの行動を横断的に分析できます。
データストリームという概念が追加されたことで、ユーザーの「ウェブ」と「アプリ」内の行動を1つのプロパティ内に集約して計測することができるようになりました。
また、「ウェブ」と「アプリ」で共通した「ユーザーID」を取得することで、横断計測することが可能になりました。

機械学習を活用した予測機能

GA4には、探索レポートの中で「機械学習機能」を搭載した「予測指標」が利用できるようになりました。
新たに「AI予測機能」と「Googleの機械学習モデルを活用した予測機能」が組み込まれており、イベントベースのデータをもとにユーザーの次の行動を予測することが可能になりました。
ユーザーの行動予測が可能になったことで、ユーザーの「購入予測」「離脱予測」「収益予測」などの数値が自動的にデータ解析され、ユーザーをリスト化することができるようになりました。

「Googleの機械学習モデルを活用した予測機能」を用いて、購入に繋がりやすいユーザー属性の把握や、予測した結果を広告配信のターゲティングリストにすることで、より成果の高い広告施策への活用が期待できます。

※ただし、「機械学習機能」を使うためには一定数のサンプル数が必要です。

Google BigQuery(ビッグクエリ)との連携

GA4では、Googleが提供するデータウェアハウスサービスの「BigQuery(ビッグクエリ)」と連携できます。Googleのクラウド側データベースで、Google Cloud Platform(GCP)にて提供されています。

「BigQuery(ビッグクエリ)」は、データ分析やPythonとAPIの連携などが出でき、データ分析では、様々なログ情報のデータ解析やリアルタイムでデータ解析が可能です。通常では長い時間がかかるデータ量やクエリの処理速度を数秒、数十秒で処理を行うことができ、迅速に分析結果を取得することできます。
TB(テラバイト)、PB(ペタバイト)規模のデータでも高速で分析しデータを返してくれます。
他のGoogleクラウドサービスとシームレスに連携したい場合などは、「BigQuery(ビッグクエリ)」を利用すると便利です。

Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)の導入・設定方法

まとめ

Google Analytics(グーグルアナリティクス)からGoogle Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)にバージョンアップされより鮮明にユーザーアクションを確認することが出来るよになりました。まだ慣れない方も沢山いると思いますが、レポートのカスタマイズや指標を覚えることで次に何を行えば良いか、次のアクションは何を起こすかなど、今後のサイト運営に役立ちます。