2022.3.2|Web知識

ホームページ制作における秘密保持契約書(NDA)に必要な記載事項(サンプル有)

ホームページ制作における秘密保持契約書(NDA)に必要な記載事項(サンプル有)

Webサイト制作やWebサイト保守業務を請け負う際には、取引先との「機密保持契約(NDA)」を締結します。

開示・受領する情報が重要な秘密情報であれば、情報漏洩や外注先が秘密情報を目的外に流用などのトラブルの際に、非常に重要な契約書となります。

今回は、ホームページ制作における秘密保持契約書(NDA)に必要な記載事項を解説します。

秘密保持契約(NDA)とは?

「機密保持契約(NDA)」とは、自社が持つ一般に公開されていない情報を開示するにあたり、契約者が開示した情報を第三者に開示したり不正に利用、目的外に使用することを防止するために結ぶ契約です。
業務提携、業務委託または他社と新しいサービスやシステムを共同開発する時などに、情報の開示をしないと業務が進まない場合、秘密情報を開示する前に秘密保持契約を結びます。
また、これらの契約「秘密保持契約」を「NDA(Non-Disclosure-Agreement)」とも呼ばれています。

秘密保持契約なぜ必要か

秘密保持契約を締結することで、相⼿⽅に守秘義務(秘密保持義務)が発⽣し、「第三者開示・漏洩」「秘密情報の目的外使用」といったリスクを軽減できます。
もし、秘密保持契約を締結せずに、秘密情報を開示してしまうと新しい製品やサービスを開発していて、相手方がそれらの情報を漏洩したことにより、ライバル企業が同等の製品を開発してしまい企業に大きな損害が生じる事態になりかねません。
また、特許申請が予定されていても特許法により、「公然知られた発明」(公知の発明)は、特許を受けることができません(特許法第29条第1項第1号)。
このような事態やトラブルを防ぐため、た損害が生じた場合に相手方にその賠償責任を追及するために、秘密保持契約の締結が必要となります。

秘密保持契約締結のタイミング

秘密保持契約書(NDA)は取引のあらゆる場面で必要になります。
本契約よりも前に締結する事が基本となりますが、製品やサービスを説明するにあたり、秘密情報などを開示しなければ説明できない場合があります。このようなタイミングで秘密保持契約の締結します。
商談や打ち合わせの前に秘密保持契約を結んでおけばスムーズに打ち合わせを進める事ができ、商談不成立になった場合でも、「第三者開示・漏洩」「秘密情報の目的外使用」といったリスクを軽減することができます。

秘密保持契約に必要な記載事項

秘密保持契約には、秘密情報の定義、違反を行った場合の処置や契約有効期間等を記載する必要があります。
秘密保持契約書には、一般的に以下のような項目が入ります。

秘密情報

相手方にもらされては困る、秘密情報の定義について記載します。
どのような内容どのような情報を秘密情報とするのか、その範囲を定義します。

秘密保持

秘密情報開示内容について記載します。
秘密情報の取り扱い内容、利用方法について定義します。

直接交渉の禁止

解除された情報に基づいて知り得た第三者との本件目的に関する交渉を直接または間接を問わず行う場合について定義します。

違反の場合の処置

秘密保持契約に違反した場合の処置を記載します。
違反した場合の処置、損害や賠償請求を明確に記載します。

権利義務の譲渡禁止

権利義務の譲渡禁止を記載します。

契約解除

契約違反に伴う契約解除内容を記載します。
契約違反が起きた場合の、契約解除方法について定義します。

有効期間

秘密保持契約の有効期間を記載します。
契約期間の年数や契約期間の開始・終了日を記載します。

契約終了時の措置

契約終了時の措置内容を記載します。
契約終了時の情報の廃棄、または返却方法を記載します。

管轄裁判所

裁判所の管轄を記載しておきます。

協議

本契約の解釈に疑義を生じた場合の協議について記載します。

記名(署名)

秘密保持契約を締結した年月日を記載します。

秘密保持と機密保持の違い

情報を管理する上で機密情報、秘密情報、営業機密、営業秘密という言葉があります。
一般的な意味似ていますが、機密情報と秘密情報では、情報の重要度が異なります。
「機密」と「秘密」は、どちらも「限られた範囲内にとどめられた情報」という意味で違いはありません。

秘密とは

「他人に知られないようにすること」「隠して人に見せたり教えたりしないこと」という意味。

機密とは

「政治・軍事上、きわめて重要な事柄についての秘密」という意味。

秘密保持契約サンプル

秘密保持契約サンプルを作りましたのでこちらでも確認してみてください。
秘密保持契約サンプル

まとめ

秘密保持契約はトラブル防止の為には締結が大事です。基本的には請け負う側も情報の取り扱いについては大事に扱う事が大切ですね。保管方法や取り扱い方法を見直すことも大事ですが、パソコンのセキュリティ強化も大事です。