2025.6.27|SEO対策
Google Analytics 4(アナリティクス4:GA4)の効果測定に役立つチャネルグループを解説

Webサイトの集客や売上を最大化するには、訪問者がどこから来て、どのようにサイト内を移動し、どのタイミングでコンバージョンしているのかといった「流入経路の分析」が欠かせません。
その中でも、Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)における「チャネルグループ」は、ユーザーの流入元を自動的に分類・集約し、マーケティング施策の効果測定や課題の発見に役立つ重要な指標の一つです。
従来のGoogle Analytics(グーグルアナリティクス:UA)では「デフォルトチャネルグループ」が活用されていましたが、2023年7月1日をもってUAのサポートが終了し、現在はGA4への移行が推奨されています。GA4では、より柔軟かつ高度なトラフィック分類が可能になっており、「セッションの参照元やメディア、キャンペーン」などに基づいて流入元を把握できます。
チャネルグループとは、訪問ユーザーの流入経路を「Organic Search(自然検索)」「Paid Search(広告)」「Direct(直接アクセス)」「Referral(外部サイトからのリンク)」などに自動分類し、トラフィックの質やコンバージョンへの貢献度を視覚的に比較できる仕組みです。
今回は、Google Analytics 4(アナリティクス4:GA4)の効果測定に役立つチャネルグループを解説します。
本記事の内容
チャネルグループとは
チャネルグループとは、Webサイトへの訪問者がどの経路から流入してきたかを意味のある分類にまとめたものです。Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)では、流入元の情報を「検索エンジン」「SNS」「広告」「直接アクセス」などのチャネル(経路)として自動で分類し、マーケティング施策ごとの効果を比較しやすくしています。
たとえば、GoogleやYahoo!などの検索結果から訪れたユーザーは「Organic Search(自然検索)」、InstagramやX(旧Twitter)などから来たユーザーは「Organic Social(ソーシャル)」、広告クリックによる流入は「Paid Search」や「Display」といった形でグループ分けされます。
このようにチャネルごとにデータを分類することで、「どのチャネルが多くのユーザーを集めているか」や「どのチャネルからのユーザーが最もコンバージョンに貢献しているか」といった分析が可能になります。
GA4では、これらのチャネルグループがより柔軟に設計されており、従来よりも細かい条件でのカスタマイズやトラフィックの分類が行えるようになっています。マーケティング施策の成果を正しく評価し、次のアクションへつなげるために、チャネルグループは欠かせない視点です。

従来のGoogle Analytics(グーグルアナリティクス:UA)のチャネルグループとの違い
Google Analytics(グーグルアナリティクス:UA)とGoogle Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)では、「チャネルグループ」の仕組みや考え方にいくつか大きな違いがあります。
UAでは、「デフォルトチャネルグループ」と呼ばれるあらかじめ定義された分類ルールに基づいて、流入元が「Organic Search(自然検索)」「Direct(直接)」「Referral(外部サイト)」などのチャネルに振り分けられていました。これらの分類はある程度カスタマイズできたものの、柔軟性には限りがあり、ルールの変更も管理画面上では難しい面がありました。
一方、Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)ではチャネルグループの設計が刷新され、より細かく、より現代的なマーケティング環境に対応した分類が可能となっています。
例えば、Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)では新たに「Organic Social(自然なSNS流入)」「Paid Social(広告を通じたSNS流入)」「Audio」「SMS」など、多様化する流入経路に対応したチャネルカテゴリが追加されています。
また、Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)では管理画面からカスタムチャネルグループを作成・編集する機能も提供されており、自社の施策にあわせた柔軟なトラフィック分析が可能です。
さらに、Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)はイベントベースの計測に基づいているため、UAよりも正確なセッション識別や流入元のトラッキングが可能となり、チャネルごとのユーザー行動やコンバージョンとの関連性をより明確に把握できるようになっています。
チャネルグループの違い
項目 | ユニバーサルアナリティクス(UA) | Google Analytics 4(GA4) |
---|---|---|
モデル | セッションベース | イベントベース |
チャネルの定義 | 固定的で限定的 | 柔軟かつ詳細、カスタマイズ可能 |
ソーシャル分類 | 一部のSNSのみ分類 | Paid / Organic Social を区別 |
計測対象の粒度 | 主にセッション | イベントやエンゲージメントを重視 |
レポートの柔軟性 | 固定ビュー | 探索レポートでカスタム分析可能 |
チャネルグループで確認できる主な指標の種類
チャネルグループは「どの経路からユーザーが流入してきたか」という分類ですが、それぞれのチャネルごとに複数の指標(メトリクス)を組み合わせて分析することで、マーケティング施策の効果をより具体的に把握することができます。マーケティングの最適化や予算配分の判断材料として、チャネルグループの理解は非常に重要です。
チャネルグループの違い
チャネル名 | 説明 |
---|---|
Organic Search | GoogleやBingなどの検索エンジンからの自然検索流入 |
Paid Search | Google広告などの検索連動型広告からの流入 |
Organic Social | FacebookやX(旧Twitter)などの無料投稿からの流入 |
Paid Social | SNS広告(例:Instagram広告、Facebook広告)からの流入 |
Direct | URL直接入力、ブックマークなど参照元不明の流入 |
Referral | 他サイトのリンクからの流入 |
メルマガなど、メールからの流入 | |
Display | バナー広告やディスプレイネットワークからの流入 |
Affiliates | アフィリエイトリンク経由の流入 |
Video | YouTubeなどの動画メディアからの流入 |
Organic Shopping | Googleショッピングなどの自然検索による商品クリック |
Paid Shopping | Googleショッピング広告や商品リスト広告からの流入 |
Unassigned | 分類できなかった、もしくは情報が不足している流入 |
Cross-network | 複数ネットワークにまたがる広告からの流入(例:パフォーマンスマックス) |
1. Organic Search(オーガニック検索)
GoogleやBingなどの検索エンジンからの、広告ではない自然検索結果による流入を指します。
ユーザーが検索エンジンを利用して情報を探しているときに、自然に表示された検索結果を通じてサイトにアクセスした場合、このチャネルに分類されます。
2. Paid Search(有料検索)
Google広告などの検索連動型広告(リスティング広告)からの流入です。
キーワードに連動して検索結果の上位などに表示される広告がクリックされた場合に分類されます。
3. Organic Social(オーガニックソーシャル)
Facebook、X(旧Twitter)、InstagramなどのSNSから、無料投稿(広告ではない)を通じて流入してきたユーザーが該当します。
SNSでの自然なシェアや投稿による集客を示します。
4. Paid Social(有料ソーシャル)
SNSでの有料広告による流入です。
たとえば、Facebook広告やInstagram広告など、ターゲティング設定されたプロモーション経由のアクセスがここに分類されます。
5. Direct(ダイレクト)
ユーザーがURLを直接入力したり、ブックマークからアクセスした場合など、参照元が特定できない流入が「Direct」に分類されます。
マーケティング施策以外の自然な再訪なども含まれるため注意が必要です。
6. Referral(リファラル)
他のWebサイトやブログからのリンクをクリックして流入してきた場合に該当します。
自然な被リンクやメディア掲載などがこのチャネルに分類されます。
7. Email(メール)
メールマガジンやステップメールなどのリンクから流入したアクセスです。
適切なUTMパラメータが設定されていれば、自動的に「Email」に分類されます。
8. Display(ディスプレイ)
バナー広告や画像広告など、ディスプレイネットワーク広告からの流入がここに分類されます。
Google ディスプレイネットワーク(GDN)を活用した広告施策などが該当します。
9. Affiliates(アフィリエイト)
アフィリエイトサイトのリンク経由で流入したユーザーが対象です。
成果報酬型広告やパートナーサイト経由のトラフィックが含まれます。
10. Video(ビデオ)
YouTubeなどの動画広告や動画内リンクを通じた流入です。
動画マーケティング施策の効果測定に役立つチャネルです。
11. Organic Shopping(オーガニックショッピング)
Googleショッピングなどの無料の商品リスティング表示からの流入が対象です。
広告費をかけずに、商品情報を元に自然に表示されたリンクからのアクセスが該当します。
12. Paid Shopping(有料ショッピング)
Googleショッピング広告や商品リスト広告など、有料で掲載されたショッピング広告経由の流入です。
eコマースサイトでの広告施策において重要なチャネルです。
13. Cross-network(クロスネットワーク)
Google広告の「パフォーマンスマックス」など、検索・ディスプレイ・YouTubeなど複数のネットワークをまたいだ広告からの流入がこのチャネルに分類されます。
複合的なキャンペーン施策の評価に役立ちます。
14. Unassigned(未割り当て)
チャネルとして分類できなかった流入です。
参照元やメディアの情報が不明だったり、UTMパラメータが適切でない場合に「Unassigned」として記録されます。
効果測定に役立つチャネルグループの見方
Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)では、「Organic Search(自然検索)」「Paid Search(検索広告)」「Referral(参照元)」「Direct(直接アクセス)」などの標準チャネルグループが用意されており、それぞれが意味する流入経路を明確に分類できます。これらの分類をもとに、ユーザーの行動や成果(コンバージョン・収益など)をチャネルごとに分析することで、「どの施策が成功しているのか」「どの流入経路が思ったより成果につながっていないのか」といった実践的な洞察を得ることが可能です。
たとえば、自然検索からの流入は多くてもコンバージョン率が低い場合、コンテンツの質や導線設計の見直しが必要かもしれません。逆に、有料広告からの流入が少なくても高い成果を出している場合は、投資拡大の余地があると判断できます。こうした定量的な判断をサポートするのが、チャネルグループの指標です。
また、Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)ではエンゲージメント率やイベントベースの計測により、従来よりもユーザーの行動が細かく可視化されるようになりました。これにより、単に「訪れたかどうか」だけでなく、「どのくらい関心を持ってサイト内を回遊したか」「購入や申し込みといった成果に至ったか」までをチャネル別に追跡できるようになっています。
さらにGoogle Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)では、チャネル定義をカスタマイズすることもでき、自社の施策や分析軸に合わせて柔軟な運用が可能です。たとえば、「LINE経由」や「インフルエンサー投稿経由」など独自のチャネル分けを作成し、戦略的な分析対象に組み込むことで、より実務に即したPDCAサイクルを回すことができます。
つまり、Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)のチャネルグループの見方をしっかりと理解し、それをもとに数値の背景にあるユーザーの意図や行動を読み取ることができれば、Webマーケティングは一段と精度の高いものになります。表面的な数値の増減だけにとらわれず、「なぜこのチャネルからの成果が高いのか?」「なぜこのチャネルは離脱が多いのか?」といった視点を持つことが、効果的な施策改善につながります。
チャネルグループは、単なる分析の切り口ではなく、マーケティングの全体戦略を見直すための“地図”のような役割を果たします。継続的に確認し、トレンドの変化や施策の影響を敏感に察知していくことが、成果を最大化するうえでの大きな鍵となるのです。
チェックすべき主な指標
チャネルごとの成果を見るには、以下のような指標を確認すると効果測定に役立ちます。
・ユーザー数:どれだけの人が各チャネルから来たか
・セッション数:訪問の回数(ユーザー数より多くなる)
・エンゲージメント率:そのチャネルから来たユーザーがどれだけ積極的に行動したか
・コンバージョン数:資料請求・購入・予約などの成果
・収益:ECサイトなら売上金額も確認可能
効果測定に役立てる視点
チャネルグループは、単に「どこから来たか」だけではなく、そのチャネルが売上や成果にどれだけ貢献しているかを分析するために使います。
集客重視か、成果重視か?
ユーザー数が多いだけで成果が伴わないチャネルは見直しが必要です。
費用対効果はどうか?
有料チャネル(広告など)では、コンバージョン単価や収益とのバランスを確認します。
チャネルの役割分担は?
SNSは認知向け、検索は検討・比較段階など、チャネルごとの「意図」も考慮することが大切です。
まとめ
Google Analytics 4(グーグルアナリティクス4:GA4)のチャネルグループは、マーケティング活動の効果測定を行ううえでの重要な分析軸です。チャネルごとの訪問数や成果を比較することで、「どの集客経路が成功していて、どこを改善すべきか」を明確にすることができます。
定期的にレポートをチェックし、仮説と改善を繰り返すことで、Webサイトや広告運用のパフォーマンスを着実に高めることができるでしょう。